数学(モンティホール問題)

Road to the UTS3 ~大人の青春~

数学(モンティホール問題)

おそらく、受験数学で最も社会に出て直接的に使う考え方は、場合の数と確率である。この2つは実世界でも金融工学や機械学習などの分野に応用されている。また期待値などの概念はポーカーや競馬などのゲームにも幅広く取り入れられている。

受験数学で取り分け重要なのは、条件付き確率(ベイズ確率)だ。慶應医学部はこちらの考え方が大好きで毎年のように出題される。(因みに、条件付き期待値の考え方は測度論的確率論と統計学(機械学習)のどちらにおいても最重要の概念だ。)

この条件付き確率に関連した問題で、面白い問題がある。初見で、これのカラクリが直ぐに見抜けた人はかなり数学センスがある部類だろう。

💗モンティ・ホール問題
 ドアが3つあり、そのうち1つに金塊が入っています。2つはハズレです。まず、プレイヤーがドアをひとつを選びます(まだ開けません)。そのあとに、答えを知っている司会者が残りの2つからハズレの1つのドアを開けてくれます。残りは2つのドアとなります。ここでプレイヤーは最初の選択を変えるべきか?変えないべきか?

答えはここでは書かないが、色々な視点から考えてみて欲しい。因みにこれは昔はGS(Goldman Sachs)の入社試験で良く出題された。
ヒントは、高校数学の問題同様、極端な場合を考えてみることだ。

因みに、これは三囚人問題ベルトランの箱のParadoxなどとも呼ばれどれも本質的には同じことである。

🍀三囚人問題
 ある監獄にA、B、Cという3人の囚人がいて、それぞれ独房に入れられている。罪状はいずれも似たりよったりで、近々3人まとめて処刑される予定になっている。ところが恩赦が出て3人のうちランダムに選ばれた1人だけ助かることになったという。誰が恩赦になるかは明かされておらず、それぞれの囚人が「私は助かるのか?」と聞いても看守は答えない。したがって囚人Aが恩赦になる確率はこの時点では1/3であると考えられる。
 囚人Aは一計を案じ、看守に向かってこう頼んだ。「私以外の2人のうち少なくとも1人は死刑になるはずだ。その者の名前が知りたい。私のことじゃないんだから教えてくれてもよいだろう?」すると看守は「Bは死刑になる」と教えてくれた。
 それを聞いた囚人Aはひそかに喜んだ。Bが死刑になる事は確定した以上、恩赦になるのはAかCのいずれか一方であるはずであり、したがってAが恩赦になる確率は1/2に上昇したからである。
 果たして囚人Aが喜んだのは正しいか?


参考までに、大学の数学科や物理学科の授業は上記のような高校数学に比べ、一気に抽象度のレベルが上がります。高校数学のノリが好きな人は工学部で微分積分や線形代数の計算に習熟したほうが幸せだし、世の中にでてから役に立つでしょう。だだ、東大数学で100点近くとれる実力があるなら脳がもう大人なので大学の数学科の授業もスムーズに入っていけるし、そちらのほうが楽しいのでそちらに進むべきでしょう。

大学に進学したあなたは、大学受験には無かった頭の良さのベクトルがまた1つあることに気づくでしょう、それは難しい概念を正確に理解する思考の深さとタフさです。大学受験は畢竟要領の良さと受験の経験が物をいう世界です。

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